「空室になっても家賃は入りますよ」
「先生は忙しいので、何もしなくていいサブリースがおすすめです」
ワンルームマンションを購入するとき、僕はこんな説明を受けました。
当時の僕にとって、「家賃保証」という言葉はかなり魅力的でした。
入居者がいなくても家賃が入る。
管理もほとんど不動産会社に任せられる。
医師として忙しく働いていた僕には、
「それなら楽やし、安心やな」
と感じたんですよね。
ところが数年後。
ワンルームマンションを売却しようとして、初めてサブリース契約と本気で向き合うことになりました。
そして、
「え、サブリースってこんなに解約しにくいん?」
となりました。
今回は、僕が実際にサブリースを解約するまでに経験したことを書いてみます。
前回の記事では、そもそもなぜワンルームマンションを買って、なぜ売却することになったのかを書いています。
医師が新築ワンルームマンション投資を始めて、売却を決めるまで【実体験】
※契約内容や法的な扱いはケースによって異なります。この記事は、あくまで僕自身が契約していたサブリースで経験したことを書いたものです。
- サブリースが売却時に問題になった理由
- 「解約できない」と言われた経緯
- 2年契約・自動更新から解約まで進めた方法
- 契約前に確認しておきたいポイント
- 実際に経験して分かった「家賃保証」の注意点
購入するときは「家賃保証だから安心」と思っていた
購入時に印象に残っている説明は、
- 空室でも家賃が入る
- 家賃保証がある
- 医師は忙しいので、管理を任せた方がいい
というものでした。
当時の僕は不動産の知識がほとんどありません。
なので、
「空室になっても家賃が入るんやったら安心やん」
と思っていました。
一方で、
「将来、保証される家賃が下がる可能性がある」
という説明を受けた記憶はありません。
まして、
「自分からサブリースを解約したくなったとき、どうなるのか」
なんて全く考えていませんでした。
解約条件について説明された記憶もありません。
今なら、むしろ一番確認したいところなんですけどね……。
売却しようとして、初めてサブリースが問題になった
数年後、ワンルームマンションを売却することにしました。
そこで分かってきたのが、
サブリースが付いたままだと、売却価格に影響する可能性がある
ということでした。
僕の物件では、実際に入居者が支払っている家賃と、サブリース会社から僕に支払われる家賃にも差がありました。
購入するときには、
「管理を任せるための費用」
くらいに考えていました。
でも売却する立場になって初めて、
「これ、毎月いくら取られてるんや?」
と考えるようになりました。
僕が複数の不動産会社に売却相談をしていく中でも、サブリースを解除できるかどうかは重要なポイントになりました。
実際に4社へ売却査定を依頼したところ、提示額には最大約500万円の差がありました。詳しくはこちらの記事にまとめています。

そこで、
「じゃあサブリースを解約しよう」
となったわけです。
正直、僕は簡単にできると思っていました。
「サブリースは解約できません」と言われた
ところが会社に連絡すると、
「基本的に解約はできません」
という趣旨の回答をされました。
「え?」
となりました。
さらに担当者からは、
「弊社は借主になるので、借地借家法上、強い立場になります」
という趣旨の説明を受けました。
こちらとしては、
「いや、僕のマンションなんやけど……」
という気持ちです。
もちろん契約を結んだのは僕ですし、こちらの知識不足もあります。
ただ、購入するときに持っていた、
「家賃保証をしてくれる便利なサービス」
というイメージとはかなり違いました。
サブリース会社が僕から物件を借り、それを入居者に貸している。
つまり、僕とサブリース会社との間にも「貸す側・借りる側」という関係があるわけです。
購入当時の僕は、そんな構造すら十分理解していませんでした。
しかも2年契約で、自動更新だった
さらに契約を調べていくと、僕の場合は2年単位の契約でした。
更新時期になると手紙が届きます。
そこで対応しなければ自動更新されます。
これを知ったとき、
「こんなん、手紙返すの忘れたらまた2年やん……」
と思いました。
普段、不動産のことを全部業者に任せていると、こういう契約更新の手紙も軽く見てしまいがちです。
でも今回、この更新時期がめちゃくちゃ重要でした。
僕も最初は、
「解約したいです」
「難しいです」
というやり取りを2〜3往復しました。
その中でも、
「借主である弊社の方が強い立場です」
という趣旨の説明が繰り返されました。
正直、かなり腹が立ちました(笑)。
購入するときは、
「家賃保証があるから安心ですよ」
と言われて契約したものが、自分が辞めたくなった途端、
「簡単には辞められません」
となる。
僕としては、このギャップが一番きつかったです。
前回の更新時期を自分で調べた
- 前回の契約更新時期を確認
- 次回は更新しない意思をメールで伝える
- 更新案内の「解約」を選んで返送
- サブリース終了が確定
最初は「解約は難しい」と言われましたが、契約書や過去の更新書類を自分で確認すると、次回の更新時期が分かりました。
そこで「次回は更新しない」と意思を明確に伝え、最終的に更新のタイミングでサブリースを終了できることになりました。
サブリースで一番怖かったのは、契約を知らなかった自分
今回、一番怖かったのは、
サブリースそのもの以上に、自分が契約内容を知らなさすぎたこと
でした。
サブリースという仕組み自体がすべて悪いと言いたいわけではありません。
空室リスクを減らしたい人や、費用を払ってでも管理の手間を減らしたい人にはメリットがあると思います。
問題は、僕が、
「家賃保証があるから安心」
だけで契約してしまったことです。
今の僕なら、少なくとも次のことを契約前に確認します。
- 家賃
- 保証家賃の減額
- 契約期間
- 自動更新
- 解約条件
- 売却への影響
当時の僕は、ここまで細かく確認できていませんでした。
今なら、この6つは契約前に必ず確認します。
当時の僕は
「家賃保証=安心」
で思考が止まっていました。
後輩医師に「家賃保証だから安心ですよね?」と聞かれたら
もし今、後輩の医師から、
「先生、サブリースで家賃保証されてるんで安心ですよね?」
と聞かれたら。
まず僕なら、
「毎月、家賃の何%取られてるか知ってる?」
と聞きます。
そして、
「その条件でほんまにおいしい投資なら、なんで業者が自分で物件を持たずに、こっちに買わせるんやろ?」
とも考えてみてほしいです。
さらに、
「保証される家賃が下がる可能性は確認した?」
「自分から辞めたくなったら、いつ辞められる契約?」
ここも確認したい。
「家賃保証」という言葉だけ聞くと、リスクがなくなるように感じます。
でも実際には、
リスクが消えるわけではありません。
そのリスクを誰かに引き受けてもらう代わりに、こちらも何かを負担している。
当時の僕には、その感覚がありませんでした。
うまい話なんかない
ワンルームマンション投資を始めた30歳の僕は、
「節税できます」
「家賃保証があります」
「何もしなくて大丈夫です」
という言葉をかなり素直に受け取っていました。
でも不動産を数年間持って、実際に売却まで経験して思うのは、
うまい話なんかない。
ということです。
メリットがあるなら、その裏側にどんなコストやリスクがあるのかを確認する。
そして、
営業担当者が説明してくれたメリットより、自分にとって不利な条件を先に調べる。
これがめちゃくちゃ大事だったんだと思います。
僕はそれに気づくまで5年くらいかかりました。
次は、
「ワンルームマンション投資は節税になる」と言われたけど、本当だったのか?
については、実際に5年間ワンルームマンション投資をして分かったことをこちらの記事にまとめています。


